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◇特別連載企画 USB接続型ワンセグチューナー性能比較(序) 「ワンセグの規格について」
祝モニター当選って事で、品物が届く前に先行して事前に簡単な記事でも書いておきましょうか。
どうせやるからには徹底的にやりたいものですからね。
年内には届くので細かいレビューについてはそれからにして、まずは前提知識を書き連ねてみたいと思います。
そもそもワンセグって何だよ……って人もいるかもしれませんから、その辺について理解を深めてみましょう。

地上デジタル放送の基礎
ここ最近TVCMでも頻繁に耳にする地デジ(=地上デジタル放送の略)。
まずはそのデジタル放送が何なのかを簡単に綴ってみます。

従来のTV放送というのは、撮影した映像をリアルタイムに電波に置き換えて送る“アナログ放送”でした。
受信側(各家庭のTV)ではその電波を映像に戻して画面に映していた訳です。
しかし、電波が空中を伝ってくる間に雑音等が混ざったりする事で映し出される映像の砂嵐が乗ったり、また映像がブレたりするといった“画質の劣化”がどうしても発生してしまいます。

そこで、それらの問題を解決するのがデジタル放送です。
これは撮影した映像を一度コンピュータ上で取り扱えるようなデータに取り込み、その取り込んだデータを各家庭に向けて配信するというもので、送信時の品質を維持したまま送る事ができます。
イメージ的にはインターネットを思い浮かべて戴ければ良いんじゃないですかね。
インターネットで動画とかをダウンロードするのと同じような事を放送波でやっているってだけです。
また、データ放送が楽しめるとか言われていますが、これも仕組み的には簡単。
デジタル放送ではデータの状態で送るため、同じデータである画像やテキスト等も一緒に送る事ができるんですね。
それを利用して、番組の情報を一緒に添付して送っているのがデータ放送です。

2011年にはデジタル放送へと完全に移行します。
今回は簡単に説明しただけですが、これを足掛かりにしてもっと詳しく知りたいって方はWikipediaの方に詳しい説明があるのでそちらの方をご参照願います。
 ⇒ Wikipedia内、掲載記事「地上デジタルテレビジョン放送」[外・新]

 ※映像の遅延について
アナログ放送と同時に見てみると分かると思いますが、デジタル放送ではアナログ放送よりも遅れて表示されます。
これは、デジタル放送では映像をデータにして送る際にデータ放送や番組表等の付加データをくっつけて“圧縮”してから送出し、受信側では送られてきたデータを解凍してから再生しています。
この圧縮と解凍をするという処理に少しだけ時間がかかってしまうので、このような遅れが生じる訳です。

ワンセグとは
今回はワンセグチューナーの比較という事で、こちらは少し細かく解説していきます。

ワンセグとは地上デジタル放送の一部分です。
地上デジタルでは1つのチャンネルを13個のセグメントと呼ばれるブロックに分けて、利用するデータ量に応じて柔軟に活用できるように設計されています。現在の放送規格だと、通常の放送に使うのは一般のSD放送で4セグメント、ハイビジョン放送の高画質なもので12セグメントとなっております。
総セグメント数は13個ですから、全てをハイビジョンで流したとしても1つ余りますね。
この1つのセグメントを利用して携帯電話などの小さい画面向けに向けて放送しているのがワンセグです。
ワンセグメント、これを略してワンセグと称する訳です。

現在は放送免許の都合上通常のテレビ放送と同じ番組を流す“サイマル放送”という形式が取られていますが、いずれは独自の番組を放送していくという計画も練られているようです。

 映像品質
これから比較レビューをしていくチューナーはこのワンセグ放送に対応したチューナーなんですが……。
ただ、先に書いたように携帯電話などの小型端末向けの放送なので映像のサイズは当然小さいです。
現在実際に放送されているのは320×180というサイズですね。

……これが実寸サイズとなります。
実際にはちょっと離れて見れば2倍から3倍くらいまでの拡大は許容範囲になると思いますが、これが元の大きさであるという事だけは頭に置いておくと良いでしょう。
小さいものを大きくする場合、どう足掻いても良質なクオリティは得られません。
よくどのワンセグチューナーが画質が良いかと悩んでいる人がいますけど、全く以て無意味な悩みですな。
中間処理で多少の違いはあるかもしれませんが、どれも似たようなものですよ。

あと、フレーム数(1秒あたりのコマ数)が15fpsと、通常放送の30fpsと比べて半減しています。
アニメとかニュースくらいならさほど関係ないですが、スポーツや一部のバラエティ等、カメラや被写体の動きが激しい映像を見るのはちょっときついかもしれませんね。

 ※受信環境
従来のアナログ放送では電波が弱くても画像が乱れるだけで受像はできましたが、デジタルではそうもいきません。
というのも送っているのが番組表等も含めて圧縮されたデータなので、電波が弱くなってしまうと欠損が激しくなり、元の映像に復元できなくなってしまいます。
勿論ノイズも考慮して多少の欠損なら補完するようにはなっていますが、酷くなるとその補完作業も機能しなくなってアナログでは微(かす)かにOKなのにデジタルでは受信できないといった現象が起こるのです。
復元できるかできないか……、この二者択一なのがデジタルの性(さが)なんですね。

……以上、ワンセグについてお判り戴けましたでしょうか?
より詳しい内容を知りたい方は、ワンセグをキーワードに検索して戴くか以下のサイト等を参照されるとよいでしょう。
 ⇒ 1セグドット[外・新]
 ⇒ Wikipedia内、掲載記事「ワンセグ」[外・新]

さて、予備知識としてはこんなところで良いでしょう。
あとはアイオーデータから製品が届くのを待って、実際の製品比較をしていきたいと思います。

 
  更新履歴
   
  2012. 10. 12 : 別館へ移設
2007. 09. 02 : ページデザインを一新
2006. 12. 29 : 初版掲載